東奔西走

所用で渋谷へ行った。午後3時40分頃だったか、工房へ戻るべく、渋谷駅に向かい、山手線に乗った。高田馬場で降り、西武新宿線へ乗り換えようホームを上がったところ、ただならぬ気配が…..。コンコースいっぱいの人が神妙に電光掲示板を見ていたのだ。

どうやら、西武新宿線が止まっているらしい。微かに聞こえる放送に耳を傾けると、「復旧の目処が立っていない」というアナウンスが聞き取れた。踵を返してもう一度山手線のホームへ戻る。

工房は西武新宿線と西武池袋線のほぼ中間地点にあり、どららも使えるので、西武池袋線で帰ろうと思ったわけだ。この時点で、大規模停電が起こっていたとは知らなかった。

山手線は普通に運行していた。池袋までは難なく移動できたのだが…..。

池袋駅でJRの改札を出て、西武池袋線へ向かうと、ここでも多くの人が電光掲示板を見上げていたのだ。

「え? 池袋線も止まってるの????」

何が起こっているのかはわからない。が、池袋線も新宿線も使えないとなると、中央線で西へ移動し、バスで北上するしかない。

再度JRの改札を通り、今度は山手線で新宿へ。そこで中央線に乗り換えようとホームを登って行くと、既に人が溢れそうなほど並んでいる。夕方のラッシュ時に差し掛かってるとはいえ、やはり西武線運休の影響が出ているのは明白だ。

ぎゅうぎゅう詰めの中央線を阿佐ヶ谷まで乗り、そこからはバスで北上を目指す。バスターミナルに来ると、ここでも西武線の駅へアクセスする路線には長蛇の列が。この時間帯なら7-8分に1本は出ているバスなのだが、乗客が多すぎて乗りきれず、1本待たなければならなかった。そうして漸く乗り込んだバスもまた、ぎゅうぎゅう詰めなのだ。

自分の身体が隙間の形になっているような錯覚の囚われつつ、なんとか目的地のバス停まで行き着いた。工房まではそこから歩ける距離だ。そんなこんなで、工房に帰ってきたのは午後5時半過ぎ。ニュースを見て、始めて大規模な停電が起こっていたことを知った。いやはや…..。

途中で見かけた西武線は、早くも運転を再開している様子だった。あのまま待った方が良かったのか? いや、待っていたところで乗客がたまり、運転再開後もおいそれと電車に乗れないことも多い。取り敢えず、辿りつけたのだから、今日の行動は間違っていなかったということにしておこう……。(じゃないと、やりきれない。お陰で今日やりたかった作業が終わらなかったしっ!!!)