ニットのドレス ボートネックの黒ドレス現在、4着のシンプルなドレスを制作中だ。テーマは「源氏物語」。登場人物は源氏の他、父親である桐壺帝、藤壺中宮、葵の上、六条御息所で、シンボリックな存在として桐壷の更衣も絡んでくる。桐壷の更衣を含む女性陣の衣裳を手がけているのだが、モダンの作品で、舞台を現代に置き換えているので、直衣や藷?Pといった時代衣裳のテイストは全くなく、身体のラインやダンサーの動きを妨げない、シンプルなデザインになった。 使用したニットの生地は、薄く、滑らかなツーウェーで、程よい落ち感があり、このデザインにはぴったりなのだが、直線本縫い用のミシンで縫うと、目飛びしやすいのが難点だった。少し伸ばしながら縫うと上手くいくのだが、それでは縫い目がのびてしまい、せっかくのシルエットにあたりが出てしまう。 1着目の藤壺のキャミメ[ルでは、アンダーバストで切り替えたスカートは思い通りにできたものの、ボディの部分はどうも納得がいかず、裁ち直しとなった。 2着目は六条御息所をイメージした黒のドレスに着手。藤壺のそれでは、苦戦した生地の取扱いも、今回は、その経験が活かされ、また、全てのパネルが縦接ぎであることも手伝って、スムーズに進めることができた。ボートネックをV字に切り替え、レースをあしらった瀟洒なデザイン。黒は役柄からの指定色で、高貴なイメージ、かつ黒が重すぎないように、ということで、レースを取り入れた。仮縫いでは、少々袖を細く作りすぎていたため、裁ち直すこととなったが、全体のシルエットや切り替えのラインは好評で、ひとまずほっとした。 投稿ナビゲーション 再出発ニットのドレス