ポアントで繋がった不思議な縁

ギョーカイは狭かった?!
この夏、数年ぶりにバレエの舞台に立った。ポアントを履いて踊るのは2年ぶりだった。その間に私が愛用していたFreed社のポアントメーカー(職人)さんはリタイアしていしまっていた。私は、その昔にまとめ買いしておいたポアントを1足ずつ下ろしながら、「これがなくなったらポアントは完全引退かな」なんて思っていた。ストックは4足あったが、舞台が終わった時には、新品の在庫はなくなっていた。

とはいえ、舞台が終われば、こちらの熱も下がる。そもそも普段のレッスンではポアントを履いていないし、そんな中で、今更、自分の足に合うポアントを探すのも大変だし、来年、舞台に立つかどうかもわからないし…..なんて考えているうちに季節はすっかり秋になっていた。
そんな時、なんの気なしに眺めていたネットオークションに、引退したメーカーさんのポアントが出品されていたのを偶然見つけた。出品されていた1足は落札されてしまったが、どうやら複数の在庫があるらしい。出品者さんが、バレエショップを経営されていることもわかり、そのショップに直接連絡をとってみた。

在庫は7足あるとのこと。もともとショップでFreedを扱っているわけではなく、フリーマケットを企画した際に委託されたものなのだそうだ。依頼人さんも含めたやりとりの結果、そのすべてを譲ってもらえることになった。
あと何年ポアントを履き続けれられるかわからないけれど、もう市場に出回る事はないであろうポアントが入手できたのは、なんとなく運命的なものを感じる。もう少しポアントを続けようというモチベーションに繋げてくれたように思う。

そして後日談。
なんと出品者さんはクライアントさんでもあったのだ。娘さんの来年1月のコンクール用に、ロージュAの衣裳をご蘭?「ただいていた。なんという偶然。このギョーカイは確かに狭い。でもこんな末端のBtoBが、見えない糸で繋がっていたことに素直に驚くばかりだ。