目前の手応え

姉の同級生であり、私の先輩でもあった海外在住の方から、お直しの問い合わせが来た。娘さんのドレスのサイズ直しができないか、と言うもの。

実物をみてみないと何とも言えない、と伝えた後、娘さんと一緒に一時帰国する時に、打ち合わせる事になった。

そして今日、偶々、時間がとれた姉と一緒にやって来た先輩と娘さん。ドレスを試着して貰うと、なるほど、背丈が少しだけ長いので、後ろ身頃のチュールネットが少しダブついている。バストもほんの少しではあるが、広がり過ぎている感じなので、肩を詰めると良さそうだ、と言う事になった。

問題は納期。

今回の一時帰国は7日まで。7日の早朝には日本を発つとの事。それに間に合わせるよう発送するなら、5日夕方には出さなければならず、それでも不在で持ち戻りにでもなったら、出発までに再配達が間に合わなくなる危険もある。

『こうなったら、今日、この場でやっちゃいましょう』と、彼女達には、昔話に花を咲かせつつ待っていて貰い、その場で作業開始。

レースを外し、肩を詰め、ウエストには横ダーツをとって、再びレースを付け直した。

出来上がったドレスを再度着て貰うと、バストが上がってスッキリしたし、背中にあった生地のタルミもなくなってフィットしている。

先輩も娘さんもとても喜んでくれた。目の前で手応えを感じられるのは、こちらも嬉しい、なかなか出来ない貴重な体験だった。