苦心の色合わせ

もう10年以上前になるか…? 以前に製作したものと同じオーダーを受け、当時生地を購入した生地屋さんへ出向いたのだが、どうも同じ色が見当たらない。学生の頃、バレエの恩師に衣裳の作り方を習い、この生地屋さんに連れて来てもらって以来の長いお付き合いで、新作の入荷は少ないけれど、定番品はずっと続けて取り扱ってきたお店だ。

お目当てはワインカラーのジョーゼット。紅過ぎず暗過ぎず、絶妙な色味で、『ワインカラーならコレ』だったのだが、聞けば、その色番はお店のオリジナルカラーとして染めていたけれど、近年は売り上げに伸び悩み、自社染めは辞めてしまったとの事。

その後、数社を探すもなかなか思い通りの色味に出会えず、暗めの中厚地に紅め薄地を重ねる方向で練り直し。ボディの方もスカートと同色にする為、色味優先で複数のサテンやアムンゼンにジョーゼットを重ね、何とか違和感のない組み合わせに到達。素材探しに奔走してるうちに、2月も半ばになっていましたとさ。