ニットのドレス

7部袖のワンピース
12330401013着目は葵の上用のワンピース。
実はもう少し黄色がかった薄い若草色のイメージだったのだが、なかなか思う通りの色が無く、クライアントさんと相談の結果、このはっきりとしたペパーミントに決定した。

御息所や藤壺に比べ、葵の上というのは、原作でも、どこかお人形さんのような存在で、色っぽさとか艶っぽさ、女の情念といったものに薄い印象がある。
今回の作品でも、あくまでも清楚で若々しく、ということで、デザインは、ごく一般的なスコープネックのワンピースに落ち着いた。デコルテの他、腕の露出も少なめに、ということで、7部袖。あまりにフツーすぎるので襟ぐりと袖口に細いレースをあしらった。
スカートをウエストで切り替えているので、さすがにカブリではウエストが堪えられないだろうと判断し、4着中、この1着だけは背中にあきを入れ、コンシールファスナー仕様に。

ちょっとのっぺりとしすぎたかな、と心配していたが、立ち会ったドレスリハーサルでは、色の鮮やかさに助けられて野暮ったさは感じられなかった。最初に生地を決定したときには、色が今ひとつ気に入っていなかったのだが、結果的にはこの色で大正解だったようだ。