アデランスな気分

植毛職人
1238587265カブる方ではない。作る方。
とてもオーャhックスな「白鳥」のヘッドピース。最近はワイヤーワークのものや、頭全体をスッポリと覆う斬新なものも見かけられるが、個人的にはこの耳を隠すタイプの羽根の飾りが一番好きなデザインだ。

一般的に「バレエ」と言われれば、大多数の人が、白いクラシックチュチュにこのヘッドピースを付けたイメージを連想するのではないだろうか。「白鳥の湖」という作品のメジャーさもあるだろうが、「白鳥」を阜サするのに、チュチュとこのヘッドピースがしっくりくるから、長い間、モデルチェンジすることなく、受け継がれてきたデザインなのではないかと思う。

ところで、これは薄くてはりのある生地でできた土台に、羽根を1本1本ボンドで付けて作っている。羽根は、1本1本、長さや、太さ、しなり方なんかが違うから、その形を見ながら、土台のカーブの強いところが良いのか、右か、左か、などを考えながら、適当な部分を選んで唐阨tけていく。正に羽根で植毛しているようなもの。

以前、楽屋付きで一緒になった床山さんが、鬘というのは土台のネットの穴の一つ一つに髪の毛をひっかけて植毛していくのだと言っていた。植毛した方の髪の毛は、結ったり、カールさせたりとヘアスタイルを自由に作ることができるが、土台のネットが切れてしまうと再生が効かないので、鬘全てがオシャカになってしまうとか。何時間もかけて仕上げた鬘も、ひとつの裂け目でドボン。どの世界でも職人さんは大変だ。