リフォーム物語 復活時々、持ち込まれるリフォームの相談がある。スカートの丈出しだ。最近は特に長めのスカートが好まれる傾向がある。実際に、バレエスタジオの生徒さんの体型も欧米化していて、一昔前とは比べものにないほど脚が長くなっているので、スカート丈も長めの方がバランスが良いのだろう。今回も5年前に製作したチュチュのスカートを長くすることになった。 送られてきたチュチュを見てみると、丈もさることながら、ボリュームがなくなり、大分下がってきてしまっている。新品のチュチュはチュールの糊が効いているので、ピンと張っているが、繰り返しクリーニングをかけるとコシがなくなり、どんどん下がってしまうのだ。一番良いのは、スカートをまるまる作り直すことだが、各段のチュールに生地切れがあるわけでもないので、できるだけ、現在の状態を生かすことにした。 1番上のベージュのチュールはところどころに生地切れがある上、1段目に再利用するには丈が足りない。そこで、1段目は取り外し、取り外したところに新しく2段足すことにした。新しく足す1段目にはベージュのチュールを使い、現在の状態より4cm長くし、2段目はオフホワイトのチュールで取り外した1段目と同じ長さにする。こうすれば、スカート丈のピッチを崩さずに、丈を4cm長くできる。まずは、ボディとスカートの縫い目をほどき、更にボトムからオーバースカートとベージュの1段目を取り外した。 取り外したボトムにチュールを2段付け足し、オーバースカートをのせて、再びボディと接ぎ合わせる。手順としては単純だが、既に円状に成型されているボトムとボディを接ぐにはちょっとしたコツがいる。 さて、リフォームが完成。トルメ[に着せてみると、長さだけでなく、スカートのボリュームや張りも甦った感じ。これでまたあと数年は使えるはずだ。 投稿ナビゲーション 椅子の逸品海の向こうから