なんだか元気になる舞台

RSダンスフィールド公演「Assemblage?」
先週、東京では桜の開花が宣言され、1週間経ったこの週末は、お花見のピークかと思っていたが、気温が上がらない日々が続き、都内の桜はまだ二分咲きぐらいのようだ。
車窓から見える景色にそんな事を考えながら、昨日は昼過ぎには新国立劇場へ向かった。

中劇場では、新国立劇場バレエ団の「Ballet the chic」の公演がある。ちょうどその開演前と重なり、多くの人が劇場の奥へ向かう中、そこから外れて正面右脇の階段を下った。

そこは新国立劇場の小劇場。客席の一部が可動式になっている多目的ホールだ。そこで開催される「Assemblage?」というダンス公演を観に来たのだ。
鈴木レイ子さんが主宰するRSダンスフィールドというダンスグループによる、モダンとジャズが融合したようなパフォーマンス。
第一部は「風の鞄・椅子通り」というタイトルで、時にはコミカルに、時にはしっとりと、時に思いっ切りはじけて、様々なジャンルの曲にのったダンスが繰り広げられる。
第二部は「Jazz in Jazz」というタイトルで、こちらはジャズダンス。署薄シのアンサンブルからトリオ、デュオなどがテンポ良く展開された。

受付で手渡されたプログラムによると、主宰の鈴木レイ子さんは昨年、還暦を迎えたそう。その鈴木さんが、現役で舞台に登場する。
さすがに飛んだり跳ねたりが見せ場になるようなダンスではないが、存在感や、緊張感、ダンスに対する思い、みたいなものが伝わってくる。

鈴木さん以外で出演したダンサーは19名。こじんまりとしたグループだが、350席程度と思われる客席がほぼ、埋まっていた。公演は、金曜日、土曜日にそれぞれ二回ずつ、計4回となっている。1200人以上収容する大きなホールを埋める事ができる観客動員数だ。

おそらく観客のほぼ100%が出演者の友人・知人・身内等々、何らかの関係者だろう。実際、私も知人が出演しているので足を運んだのである。
そのせいか、客席の雰囲気がとても温かかった。ダンサーも盲目的に「鈴木先生」に従っている、というのではなく、全員で、一つの舞台を作り上げていく、という強い一体感が感じられ、コンパクトな空間も手伝って、観客を巻き込んで一つの空気が作り出された、そんな感じだった。

出演していた私の知人、というのは、実はバレエの大先輩でアラフォーの上限。10年ほど前にクラシックから転向した。もともと運動神経が良かったし、センスがある彼女、まだまだ全然イケる。
終わってみて、なんだか元気が出てくるような、そんな舞台だった。