なけなしの….

残0.8m
1242207196在庫の衣裳を作り足そうとする時、一番怖いのが材料の廃盤だ。
ブレードなどの飾りならまだしも、生地が廃盤になってしまうと、代用できる別素材を探すのは難しい。そのため、1点物ならともかく、アンサンブル用の衣裳は、できるだけ定番の材料を使うことにしている。

それでも例外はあって、キャラクターの衣裳では、地模様の入った服地を採用することもあり、その場合は、1~2着分程度は多めに仕入れるようにしている。

このスラブの衣裳もその一つ。当初の製作数は8着だった。数軒の生地やさんを回り、偶然見つけたジャガード生地。冬用の服地で、ちょうどシーズンが終わることもあり、生地やさんでの在庫は最後の1反、それも残り10m弱、というところだった。それを全て仕入れ、逆に8着分を取るには、1着分にどこまで使えるか、を考えてデザインをした。

無事に8着分に足り、この衣裳を作り足す事はないだろうと思っていたのだが、思いがけず、どうしても9着使いたい、という依頼が入ってきた。
大事にしまっておいた残布を見つめながら、上手くとれば、あと1着、もしかしたら2着いけるか?とパズルのように型紙を並べてみたが、どうにも2着はとれず。最も、注文は1着なので、とりあえず、1着分を裁断。今から考えてみると、ペプラムか袖を別生地にすれば、10~12着はとれたかもしれない。なんて、今更のタラレバを言ってもしようがない。